和泉式部

古本説話集

今は昔、和泉式部、保晶に具して丹後に下りたるに、

「明日狩せむ。」とて、者どもつどひたる夜さり、鹿のいたく泣きたれば、

「いで、あはれや。明日死なむずれば、いたく泣くにこそ。」と心憂がりければ、

「さ思さば、狩とどめむ。よからむ歌を詠みたまへ。」と言はれて、

   ことわりやいかでか鹿の泣かざらむ

   今宵ばかりの命と思へば

さて、その日の狩はとどめてけり。

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